中島追跡日記

　｢い、磯野くぅ～～～～～ん｣
手を拭きおわった直後、花沢は良く見るスレのタイトルを叫びながら一直線に磯野の席に向かっていた。
通路上の座席を蹴散らしながら。
｢花子、磯野君に会えなくて淋しかったぁ～ん｣嘘つけ。
知ってるんだぞ、お前が毎日磯野の家の周りをうろついていたのを。
現に磯野家の周辺では、大量の食い物の食べカスや大量の排泄物が散乱していたらしい。
だから磯野家は近所からかなり白い目で見られているらしい。
その後授業は再開され、花沢は授業再開後２分で熟睡していたよ。
いびきと屁を奏でながら・・・
その日の授業は午前中のみだったので、みんな昼前に帰宅した。(花沢は一人｢給食ねーのかよ！！この給食費泥棒｣と怒鳴っていた。ちなみに奴は給食費を払っていない先生が立て替えているそうな)
だがその直後花沢が恐ろしいことを口にした。
｢中島、今日話があるから１時に公園で待ってなさい。でも変な期待して勃起でもしてたらチンコ引きちぎるからね。がはははははは｣
絶対まともな話じゃないはずだ。
まちがいない。
　花沢の呼び出しを受けて俺は渋々公園に向かったよ。
バックれたら何されるか分かったもんじゃねぇ。俺は仕方なく公園で待っていたが一時間たっても二時間たっても、花沢は現れなかった。
そして、４時すぎになってようやく花沢は現れやがった。
花沢が現れた瞬間、公園の中にいた母親たちは、小さい子供を抱き上げて大急ぎ避難した。
｢きゃーー！！｣だと。
｢ごっめ～ん！！ちょっぴり遅れちゃった♪｣
花沢はヘラヘラ笑いながらそうほざいていたよ。そして花沢は一月の間の事をイロイロと話しだした。
バーゲンではタイムサービス中の時計を叩き壊しただの、障子会社の社長を半殺しにしただの、キムタクは一生声優するなと言った実にくだらない内容だった。
　花沢はつまんねぇ話を一人で続けていた。
アイツの話の内容もさるものだが、それプラス喋るたびに口臭が匂ってくるんだぜ。
その口臭は下水の匂い。
正に拷問だよ。
俺は適当に相槌を打って聞く振りをしていたよ。花沢は一人で一時間ほどくだらない事を喋り続けようやく本題に入った。何でも、今度の日曜日に磯野とデートするのだそうな。
でも、磯野はシャイで真面目だから自分が誘惑しても、全くデートの誘いに乗らないそうだ。
(その後ウップンばらしに不動産屋の客を殴る) そこがまた磯野の魅力だそうだ。
デート決まってねーじゃん！！(注意はしない) だから俺から磯野にデートにくるよう仕向けてほしいそうだ。
手段は問わない、失敗したら殺す！！だとさ。

さらに、花沢は磯野と自分のデートを俺に撮影してほしいそうだ。既成事実がほしいんだと。
当然NOとは言えない。
これは花沢の｢お願い｣ではなく｢強制｣であり、｢命令｣なのだから。花沢は一方的に言いたいことを言い、ようやく帰っていった。
去りぎわに屁を一発かまして。

俺は家に帰ると、何とか磯野をデートに引っ張りだす手段を考えた。
何せ自分の命がかかっているからな。
たぶん磯野は花沢の毒牙にかかるだろう。
ごめん、磯野。
はい、磯野にはちゃんと謝りました。
これでよし。
そして、俺は考えそして策が決まった。
あの手でいこう・・・・

次の日(スキンカオリ事件のあった日)の夜、俺の携帯に磯野から電話があった。
(当然磯野は携帯を持っていない)
磯野は舞い上がっていた。
なんと下校の時下駄箱の中にラブレターが入っていたそうだ。
以前から自分だけを見ていたと手紙には書いていたそうだ。
宛名が｢Ｈ｣だったから間違いなく｢早川さん｣だそうだ。(磯野の解釈)
そして、日曜日デートしようとの事だ。
ただし周りの目があるから内緒にしてほしいとも書いてあったらしい。
(もうバラしてやんの)
とにかく日曜日が楽しみだといって電話を切った。
悪いソレ(死刑宣告文)俺が出したんだ。
俺はその直後急いで花沢に電話した。
作戦成功と・・・・