中島追跡日記

そして、運命の日曜日
しかし磯野もあんな手に引っ掛かるなっつーの。(引っ掛けたのは俺だが)だってあの手紙の後、磯野の奴早川さん見るたびに、ニヤニヤしてたもんな。
もちろん、俺自身磯野が早川さんに話し掛けようとするたびに、ごまかして引き離してたりと裏で涙ぐましい裏工作をしていたよ。(花沢の為じゃないよ。俺自身の命がかかってるんだよ！！)
そして、鞄の中に隠しカメラを仕込んで俺は駅前の歩道橋で隠れて待機していたよ。
そして磯野が来た。
スーツに半ズボン蝶ネクタイ完璧な753スタイルだ。
おまけに赤い薔薇の花束片手に。
哀れだ、哀れすぎる。
人間、幸せの絶頂であればあるほど、不幸になった時の反動がデカイ。
精神が崩壊するんじゃねぇか。
しかしよほど嬉しかったのか、待ち合わせの30分前に来るなんてな。
そして、磯野の地獄は刻々と迫ってきてた・・・
そして、約束の時間になった。
だが花沢は来なかった。オイオイ、人にコレだけの事させときながら、テメーが遅刻かよ！！
これで磯野が帰っても、絶対俺のせいにするんだぜ。
アイツはそういう奴だ。そう思った矢先、突然遠くからガランガランという音がしたんだ。
な、なんだこの音？
段々、音がでかくなってきたよ。
そして音源が見えた。
な、な、な、なんじゃあぁぁぁぁぁぁっ！！！！はっ花沢の奴あの格好は！！
青のメイド服に(エプロン部分は所々黄バンでる)白く塗ったボクシンググローブ。
頭に鉢巻き、その側面に間違いなく神社から盗んだドでかい鈴を取り付けてある。(バチあたるぞつーか当ててくれよ神様)
そして、頭のてっぺんにな、なんだ？あの茶色い物は？
ネコミミじゃあねーなーとにかく三角形の物体が二つ乗っかっていた。
そう奴はでじこのコスプレをしていたのだ！！！オイオイおまえ自宅からその格好で来たんかい！本当キチガイだぜ！！
真田アサミが見たら100％泣くぞ！！
　でじこ花沢は一歩一歩、磯野に接近していた。
(でじこ花沢なんて呼んでいたら全国のでじこファンに怒られそうなので以降は花沢と呼ばせていただきます)
しかしアレだ小５女子のでじこのコスプレ。
花沢以外なら萌えれたかもな。
だが、あいにく花沢なので萌えられない。
萌えれるわけが無い。
花沢には昨日小型マイクを渡しておいた。
スイッチを入れてみた。｢て～んさいい～っかだバ～カ♪｣マイクの調子は問題無いようだ。

まぁ何歌おうがアンタの勝手だけどね。
そして、いよいよ花沢が磯野と接触する時が来た！！
完全に緊張しているのか磯野は花沢の気配に完全に気付いていない。
｢い～そ～の～く～ん｣
｢は、はやか・・・・・ざわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！！！！！！｣
磯野の絶叫はマイク無しでもココまで聞こえてきたよ。
｢あっ・・あっ・・・・あっ・・・・・・・｣
磯野は恐怖で固まっていた。
しかし磯野の真の地獄はこれから始まるのだ。
　｢はっ花沢さん、な、なしてこげなトコにっ｣
磯野なまっとるぞ。
｢手紙出したじゃない｣
｢でも、花沢さんの字にしてはキレイというかまともな字・・・・｣
｢中島が勝手に代筆を名乗り出たのよ。でもおかげでアタシの気持ちが伝わったわけだからアイツのお節介もたまには役に立つわけだわ。ニョホニョホニョホ｣おもいっきり嘘ついてんじゃねぇよ！！
磯野の奴は｢中島の野郎｣とつぶやいていた。
そりゃそうだわな。
花沢には立ち向かえないからな当然オレに恨みが向かってくるわけだ。
同じ立場なら俺だって同じ事考えたよ。
そして花沢は磯野の持っている花束をめざとく見つけると｢まぁ綺麗！！アタシにぴったり！！｣と叫びながら花束を引ったくった。そして、薔薇の匂いを嗅いだのだが、突然赤い薔薇がみるみるドス黒くなっていきやがった！！
花沢の臭気にはこれほどの破壊力があったのか！！
まるで毒手だ！！
｢なにコレ腐ってるじゃない！！｣
お前が腐らせたんだよ。